北朝鮮情勢専門家、マンスロフ米ジョンズ・ホプキンス大教授が都内で講演

UPF-Japanなどの招きにより来日した、北朝鮮情勢専門家でジョンズ・ホプキンス大学兼任教授のアレクサンダー・マンスロフ氏が5月8日、東京都内の会場で日本の外交問題専門家、有識者らを前に講演しました(=写真)。

「緊迫する朝鮮半島情勢と日米の対応」をテーマに講演したマンスロフ教授は、「私の北朝鮮に対する見方は(米国の)主流ではない」と前置きした上で、「北朝鮮が崩壊するという見方は希望的観測にすぎない。北朝鮮の政体は安定しており、もう少し圧力を加えただけで崩壊することは考えられない」と明言。北朝鮮国内における権力闘争や新しいテクノロジーの積極的な導入など時代に対応する形で行われている変化に言及しつつも、「幹部中心、民族中心の思想では本質的な政体の変革には至らない」と分析しました。

またマンスロフ教授は、米国の不確実性が北東アジア情勢にも影響を及ぼしている点や北東アジア諸国の関係性が悪化し、北朝鮮と中国との間にきしみが出始めていることに触れながら、北朝鮮に対しては、武力や経済制裁だけではなく、「知恵で勝たなければならない」と指摘。かつてレーガン大統領が当時のソ連に対して行い、また東ヨーロッパでも成功した「ヘルシンキ方式」を例に挙げながら、「ソ連同様、北朝鮮から最悪な人権侵害をなくし、世界に向けてオープンにすることで、内部崩壊が始まるのではないか」と講演をまとめました。

講演後には、参加した専門家からも質問が寄せられました。「北朝鮮が交渉に際し、米国に対して優先的に求めているものは何か」との質問に対し、マンスロフ教授は「北朝鮮は米国との新しい関係、完全な外交、そして平和条約を望んでいるのではないか。米国との新たな関係性ができれば、金正恩政権は生き残れるし、国際的な脅威を減らすこともできる。そうすれば北朝鮮と中国との関係を崩すことができ、北朝鮮を解放する第一ステップになる」と答えました。

また、マンスロフ教授の見解に反対の立場の参加者からは、「金正恩氏は話し合いによって解決できる相手ではないと思う。北朝鮮は核を目標にしているため、交渉している間にも核兵器の開発が進んでしまう。北朝鮮とどのような関係を持つべきか、真剣に、そして注意深く北朝鮮の動向を見なければならない」との指摘がありました。

(講演の詳細は「平和大使」6月号に掲載予定です。お楽しみに)