第110回超宗教フォーラム

東京都新宿区の会場で7月10日、宗教者平和大使協議会・IAPD-Japan主催の第110回超宗教フォーラムが開催され、新型コロナ感染対策を取られるなか、神道、仏教、キリスト教を代表する宗教者や各分野の平和大使など約20人が集いました(=写真上)。

開会にあたり、IAPD-Japanの石丸志信事務局長(世界平和宗教連合会長=写真下)があいさつ。その中で、2月初旬、韓国で開催された「ワールドサミット2020」の成果を振り返ると共に、それ以後、UPFの6つのプロジェクト(ISCP、IAPP、IAPD、IAAP、IMAP、IAED)の定着にむけ、インターネットを通じた国際的な会議や講演会等が進められていることを報告しました。また、「今年は『恒久平和のための宗教者の役割』を年間テーマとしているなか、宗教界のみならず日本国民が抱えている問題に関してもテーマとして取り上げ議論を深めていきたい」として、講師を紹介しました。

次に、人口戦略家で元外交官の水野辰雄先生(=写真下)が登壇し「日本、起死回生〜人口減少を憂うる」と題して講演しました。

すばらしい日本国が未来永劫続いてほしいと願う水野先生にとっての危惧は、出生率の低下による人口減少が加速していること。「6月に発表された厚生労働省の人口動態統計によると、合計特殊出生率は1.36人で4年連続の低下。出生数が約86万5千人で前年比5万3千人の減少。20年後には出生数がゼロになる恐れがある。人口の自然減は51万人で鳥取県の人口に匹敵する。政府は少子化対策を打ち出しているが、出産費用の支援や幼稚園も無償化だけでは、この危機を回避できない」と、人口減少の危機的状況を直視することを回避してはいけないと述べました。

そして、「私たちの意識の改革が必要だ」と訴えました。「『今さえよければ、自分の生活さえ楽しければ』という近視眼的な考えが日本社会をむしばんでいる。『結婚こそ人生最大の幸福』『子供を生み、家庭をもつことが人間の幸福』だと親が子に人生の経験から素直に伝えることのできる人々の意識改革が必要だと思う」と述べました。

また、人口妊娠中絶の問題にも触れ、「赤ちゃんポスト」や里親制度を整備することで、生まれて来る子供を「大切な神の子」として育てる社会の意識改革も必要であろうと述べ、講演を結びました。

参加者の「人口減少対策が功を奏していると言われるフランスに学べるものはあるか」という質問に対して、水野先生は「親子関係や家庭の在り方に混乱をきたしかねない問題も見られ、必ずしも日本のモデルにはならない。健全な結婚、家庭の在り方についての意識を広げることがむしろ大切」と答えました。