人口戦略家、水野達夫氏が大胆提言

「ピースロード富山」主催 県内3カ所で講演

9月11日、12日、PEACE ROAD in TOYAMA 2021実行委員会(委員長:山本徹・富山県議会議員)主催の「郷土の未来を考える文化講演会」が県内3カ所で開催され、合計約330人が出席しました。富山県、富山市、高岡市、黒部市、魚津市、滑川市、氷見市、射水市、砺波市、小矢部市、南砺市が後援。

講師は元駐ネパール大使で、PEACE ROAD 2021 in Japan中央実行委員長の水野達夫氏(=写真左)。氏は一人っ子政策を推進した中国、多民族雑居繁栄の香港、出生率維持に比較的成功しているフランス、中絶厳禁のカトリック国アイルランドなどに勤務の傍ら、人口問題をライフワークとして研究・資料収集、日本の人口減少に警鐘を鳴らすノンフィクション小説『日本! 起死回生』を2019年PHPより上梓しました。

講演では、同書から要所を引用しつつ、人口は国の存立に関わる重大問題なのに、日本では国や行政が「子供をもって知る人生の喜び」などの、結婚、出産を推奨するような垂れ幕を掲げることすらはばかられる状態を憂い、若い世代の意識を高める努力がまず大切であることを強調しました。

また法令面では、中絶手術の3要件を定めた母体保護法第14条の「経済的理由」が安易に拡大解釈され続け、実質「ざる法化」が続いていると指摘。さらに、「各県知事に対する中絶報告件数の統計数字や増減状況、地域の産科医の激減、特別養子縁組に恵まれず児童相談所などで待機している親のない子たちの実情などは、あまり公表・報道されていない。これら一連の問題を、『胎児の生きる権利』を起点として倫理的、人口論的観点から総合的に考え直す時期に来ている」と呼びかけました。

講演会当日は、県のコロナ警戒レベルが最も高い「ステージ3」でしたが、すでに落ち着きを取り戻しつつあり、会場には国会議員、市長、県議会議員、市議会議員、会社役員など多数が出席。国会議員、市長からの電報も披露されました。

2013年の夏に日韓両国の友好親善と朝鮮半島の平和的統一を願って、両国の若者たちが自転車で国土を縦走することで始まり、その後さらに多くの世界の若者たちが参加するようになったピースロード運動。富山県では昨年から、世界を襲うコロナ禍の中、その終息と、コロナと闘う関係者の応援、不幸にもお亡くなりになられた方々とそのご遺族のための鎮魂を念頭に「平和・感謝・鎮魂」を掲げて取り組んでいます。

来年、10年目を迎えるピースロード運動。富山県では、①家庭の平和②地域の平和③国家の平和――などをテーマとした講演会、シンポジウム、映像制作などを企画。今回の水野氏の講演会は、その第1回の取り組みでした。