経済連携による平和実現テーマに第3回シンクタンク2022フォーラム

韓国と北朝鮮による朝鮮半島平和統一の可能性と、北東アジアと世界平和への方策を議論する「シンクタンク2022フォーラム」が11月20日、日本と韓国、米国をオンラインで結んで開催されました。

3回目となる今回は、各国の経済人が参加し、北朝鮮との経済交流や、UPFが積極的に建設推進運動を展開している日韓トンネル実現の可能性について広範な議論が行われました。

基調講演者として招かれた世界的投資家のジム・ロジャーズ氏(ロジャーズ・ホールディングス会長)(=写真下)は、自身が世界各国を回って国際情勢や現地の人々の生活をじかに見聞きした体験を紹介しながら、中でも朝鮮半島が世界の注目を集める最重要地域であると指摘。

その上で、ロジャーズ氏は、早くから日韓トンネル、南北を結ぶ鉄道構想をはじめ、世界平和実現の基礎となる国際ハイウェイ構想の実現に取り組んできた文鮮明・韓鶴子総裁夫妻の先見性を高く評価。特に、自身で佐賀県にある日韓トンネルの調査斜坑を見学した体験を紹介しながら、そのスケールの大きさと可能性に「感動した」と述べました。また、日韓、南北を結ぶインフラが整備されることで地域に大きな経済圏が生まれるだけでなく、政治的、社会的な課題解決へと向かう驚くべき変化がもたらされるだろうと強調しました。

ロジャーズ氏の講演を受けて、キム・ヨンチョル元統一部長官がコメントしました。キム氏は、今日の欧州連合(EU)の起源となる欧州共同体(EC)が、欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)、欧州経済共同体(EEC)など国境を越えた経済連携からスタートした歴史を振り返りました。

そして、世界のサプライチェーンが混乱するなか、「北朝鮮には資源が、韓国には資本と技術がある。南北間の協力は世界的な供給難解消に代わるものになるだろう」との考えを示した上で、南北の経済連携強化が地域の平和と安定にもたらす影響を強調。「平和は与えられるのではなく作るもの」と述べてコメントを結びました。

フォーラムには、日本、米国、韓国からも専門家がパネリストとして参加し、ロジャーズ氏との質疑応答を行いました。UPF-Japanの梶栗正義議長をはじめ日本からは3人のパネリストが参加。パネリストの1人が「あなたがセールスマンなら、この日韓トンネルをどのように売り込むか」と質問。ロジャーズ氏は日韓トンネルの経済性について言及し、「トンネルが開通し南北非武装地帯(DMZ)が開放されれば、東京からロンドンまで車で移動できるようになる」とし、「物流にかかる時間と費用の減少はもちろん、観光客を引き寄せ、朝鮮半島が北東アジアのハブとして位置づけられるだろう」と展望しました。

パネリストの討議に続き、特別プログラムとして、UPFインターナショナルのトーマス・ウォルシュ議長が、UPFが進める専門家ネットワークの一つでIAED(国際平和経済開発協会)の趣旨について説明。ウォルシュ議長は、朝鮮半島の平和と繁栄をもたらし、南北両国が統一に向かうプロセスにおいて、IAEDが果たす役割の重要性に言及するとともに、今後のプロジェクトの推進に向け、創設者である韓鶴子総裁が500億ウォン(約50億円)を支援する意向であることを明らかにしました。

ワシントン・タイムズのトーマス・マクデビット会長はシンクタンク2022の趣旨に沿って提起された、朝鮮半島の平和的統一を支持する「新統一韓国支持決議文」の採択を提起。これを受け、決議文はフォーラムに参加したロジャース氏をはじめ、日米韓の財界リーダー、IAED関係者が見守るなかで承認されました。